白い巨塔

11話以降はこちら

原作:山崎豊子
P:和田行

主題歌:ヘイリー ♪アメイジング・グレイス

第1回
脚本:井上由美子
演出:西谷弘

もうこれは予想通りな初回でしたね。
何てったって前作があるし、その前作があまりにも有名なんで、これを適当には作れないでしょう。(^^;
登場人物もそれぞれに魅力があって、最近あまりにあちらこちらに出没し過ぎた黒木瞳さんも、このドラマでは実に「らしい」役で登場でした。
若干、「救命病棟」と重なって見えてしまうあたりが「うぅむ」って感じだけど、それも今後ストーリーが進むに連れて払拭できるかな?

前作を何となくしか知らない私は、最初財前(唐沢寿明)を見た時、「こんなんだっけ?」と思っちゃったんだけど、河合美智子ちゃんの胃癌とすい臓癌をあっさり告知しちゃうあたりから、「あぁ、財前かも」って感じがしてきた。
里見(江口洋介)が「告知は慎重に・・・」って言ってる矢先に、「胃がんですね」って・・・。( ;^^)ヘ..
でも、有名な財前先生が「私が執刀します」と言ってくれたら、やっぱ患者は頭下げちゃうわけか・・・。
なのに、鵜飼教授(伊武雅刀)が見逃したすい臓癌を里見が見つけたという真相を知った途端、「おれ、や〜めた!」な財前。
教授になるために、自分の師である東教授(石坂浩二)と密接に繋がってる鵜飼のミスを指摘するようなオペはできないのね。
そんな財前に「それでも医者か?」と里見。
大学病院の縦社会を器用に生きようとする財前と、どんな状況下でも一人の医者として患者に向き合いたい里見。
まさに「医療ドラマ」って感じがしますわね。

私は西田敏行扮する財前又一が見ていて楽しいわ。
コミカルだけど、彼もどことなく腹黒そうで・・・。
2クールもやるから中だるみが心配だけど、しっかりした原作のある作品だし、フジの力の入れ方も半端じゃないと思うから、これは安心して見ていけるでしょう。

第2回
「贈り物」
脚本:井上由美子
演出:西谷弘

みどり(河合美智子)のオペを、東教授(石坂浩二)の留守中に緊急オペとして片付けてしまおうとした財前(唐沢寿明)。
私ら凡人にゃ〜、そこまでして珍しいオペをやりたい気持ちや、上に気を使って隠れてやる気持ちがわかりませんわ。(^^ゞ
んで、そんなオペやっても、後でバレやしないかとヒヤヒヤしてなきゃならないし、鵜飼教授(伊武雅刀)の誤診を指摘するようなオペだから、「後始末」として400万もする絵を送ったりしなきゃならないんだもんね〜。
もちろん、大学病院の先生みんながこんな風じゃないんだろうけど、一部にはこういう先生もいらっしゃるって事でしょ?
あーーー、やだやだ。(^。^;)
鵜飼教授だって400万もする絵をもらっても、それで「うん、わかった」じゃなく「預かっておく」って微妙な言い方だし、何だか怖い世界よね。

里見先生(江口洋介)がみどりの旦那さんに言ってたように、国立病院なんだから正規の診療報酬だけ払えばいいはずなのに、どうしても「あんな偉い先生に切って頂くなら・・・」とプラスアルファのお礼を考えてしまうのは、そういう風習が当たり前のようにあるからなんだよね。
変なの〜〜〜。
みどりのオペが無事終わって、旦那さんが財前先生に「ほんの気持ちです」って実家のお菓子屋さんのお饅頭を渡してたけど、やっぱ箱の中にお金がないか探してたりするわけで、金・金・金な雰囲気が嫌だわ。
何かあって大学病院へ入院するような事があったら、ついそういう目で見てしまいそうな自分も怖いけど・・・。(^^ゞ

それに先生方の奥様たちのお付き合い、あれも怖いわ〜。
鵜飼教授の奥様のお誕生日にみんな着物来て集まって、おばちゃんたちの大合唱。(さぶ)
奥様たちの間にも、ちゃんと派閥があって、それに入っていけない里見先生の奥さん(水野真紀)なんて、ほんと疲れちゃうよね。

さてさて、又一(西田敏行)が最後に「あなたの強大なお力を・・・」と電話で話してたのは誰なんでしょう?
しっかし、木曜日のドラマの本数なんとかならんかね・・・。(^^;
全部消化しようと思ったら、翌日まで潰れちゃうんですけど・・・。(^^ゞ

第3回
「土下座」
脚本:井上由美子
演出:河野圭太

陰湿ですな・・・大学病院。(^^;
ウラでは金が飛び交い、いろんな人間関係が絡み合って、そんな渦の中でもがきながらも掻い潜って頂点を目指す医者たち。
あんまりお近づきにはなりたくないっすね。(まぁ、そんな機会もないけどさ)

財前(唐沢寿明)がやった緊急オペの事を調べ始める東教授(石坂浩二)。
鵜飼(伊武雅刀)に教授会で財前を査問にかけるように言ったり、里見(江口洋介)からウラ取ったり、他の病院から教授候補になるような人材を集めたり・・・。
東教授も財前に教授の座は渡すまいと必死だよなぁ。
ドラマだけどさぁ、医者がこういう事に思い切り時間と労力を使っているのって、何だか嫌かも・・・。
里見先生みたいに、医者が医者らしく時間を使っているのは正しい気がするけど、ああいう先生はやっぱ大学病院の荒波は渡っていけないんだろうな。

又一(西田敏行)が「あなたのお力を・・・」ってお願いしてた相手は、医師会長の岩田(曾我廼家文童)だったのね。
この岩田がかつて金をばら撒いて、鵜飼を医学部長にのし上げた男って事で、今回は岩田が間に入り、又一から贈られたあの高価な画を鵜飼が受取らざるを得なくなったあたりで、もう財前寄りの風向きになっちゃったんだけど・・・。
「お名刺代わりに〜」と画を受取らせようとしていたのに、いざ鵜飼が受取るとなったら「いやぁ、高い金払って名刺渡してよかったわぁ」って又一の台詞には笑ってしまったよ。(笑)

何とか査問は中止になり、財前はホッとしただろうけど、これで気持ちがおさまらないのが東教授だよね。
里見だって、報告書提出するつもりで必死に頑張ってたのに、これからどうするやら。

もちろん、お医者様の攻防も面白いんだけど、医者の奥様たちの陰湿な戦いも女の私には興味があるわ。
今回、財前の妻・杏子(若村麻由美)が東教授の奥様・政子(高畑淳子)に取り入ろうと手土産持参で訪ねていくってシーンがあったけど、「あ〜ら結婚式以来ご無沙汰なので、お顔を忘れてしまったわ」とか、パンを持って来た杏子に「宅はもっぱら和食でして、パンは頂きませんの。」とか政子の嫌味が凄い。(^^;
でも、杏子も「次は新潟産のお米をお持ちします」って、負けてないけどね。(苦笑)
みんなしたたかで、こっち方面も目が離せないわ。

第4回
「落選」
脚本:井上由美子
演出:河野圭太

大学病院のすったもんだも面白いんだけど、やっぱ女性の視点からみると、教授夫人たちの攻防戦が面白い!
いやぁ、高畑淳子さんを東教授夫人にキャスティングしたのは、大成功でしょう!
あの終始喋り捲るうるささ加減、畳み掛けるようなしゃべくり、人の話を絶対に聞いてないような雰囲気・・・どれをとっても素敵です♪
教授婦人会の選挙で、鵜飼夫人(野川由美子)が会長に当選するのはわかってて、当然時期副会長は連続で自分が指名されるであろうと思っていた東夫人。
でも、そこで指名されたのは則内夫人(橘ユキコ)だもんなぁ。
それが決まった時の、あの冷め切った表情がいいわ♪
あぁ、高畑淳子ファンになってしまいそう。
東教授(石坂浩二)が財前(唐沢寿明)に代わる、自分の後継者で悩んでいる時だって、佐枝子(矢田亜希子)の夫になる人だと思って探せばいいとか、菊川(沢村一樹)の方が見た目もいいとか、凄い観点で教授の後継者を選ぼうとしてるよね。
ひゃーーーー、怖い世界だわ。
大体、自分の娘の夫になる人を、もう一人の方より見た目がいいなんて、そんな簡単に決められる事じゃないと思うんだけど・・・。
偉大なる東教授の奥さんでいる事が、この人にとってはすべてなんだろうね。

それにしても大学病院なのに、患者に特別待遇の患者がいるとか、そういう内情が怖かったわ。
財界の大物だからって、特別室空けろとか、CT室押さえろとか、順番も何もあったもんじゃないのね〜。
そういう大物さんには財前をはじめとしたトップクラスの外科医たちがつきっきりになるのに、単なる製薬会社の営業である加奈子(木村多江)なんか全身に癌が転移してるっつーのに、「俺に出来る事はないな」で終わりだもん。<財前
鵜飼教授(伊武雅刀)だって、相談する里見(江口洋介)に助かる見込みのない患者がベッドをふさぐ事は許されないとまで言ってたし・・・。
こういうのが現状だと思うと、本当に大きな病院にいくのが怖くなっちゃうなぁ。(^^;
簡単だと思われていた財界の大物・五十嵐(大林丈史)の手術、途中で助手たちのミスで出血してきちゃったり、心臓止まりそうになったり・・・いやぁヒヤヒヤしたね〜。
でも、東教授が最後に患者の心拍が戻って、「ちっ!」と舌打ちしたのが、何とも・・・ね・・・。(^^ゞ
やっぱ、そういう気持ちでオペを見ていたのね・・・と思っちゃったわ。

そして菊川と財前が東教授の部屋で鉢合わせ。
財前も咄嗟にこの人物が何者だか察したようだし、これからどんな手を打ってくるのか、又一(西田敏行)が言ってたように「金」で解決しようとするのか、とーーーっても興味があるところだわ。

第5回
「祝宴」
脚本:井上由美子
演出:西谷弘

金・金・金って感じで、薄汚くていいっすね〜。(笑)
手術してもらったお礼に1億寄付するという五十嵐さん(大林丈史)。
いいんですか?簡単なオペだったはずなのに、死に掛けたんですよ?と言って差し上げたいですわ。(苦笑)
しかし財前(唐沢寿明)にとっては、まさに助け舟って感じですね。
この1億、有意義に使わずしてどうする?ってところでしょうか。
1億という多額の寄付を基金にしてはどうかと、鵜飼(伊武雅刀)に持ちかける財前。
金で人を動かして、金で動かされた人がそのお礼としてまた動く。
実にいやらしい構図ですなぁ。
傍から見ている分には、ゾクゾクするほど楽しいんだけど、やっぱこの輪の中には入りたくないわね〜。
たとえ、奥さんとしてでも・・・。

ってことで、今週も教授婦人会です。(笑)
いやぁ、いい感じに嫌味ですね〜。( ;^^)ヘ..
鵜飼教授の奥さん(野川由美子)も、「あらぁ、東さん来てらっしゃったの?無理なさらなくて良かったのに・・・。」って、東夫人(高畑淳子)に向ってあからさまな態度。
そして東夫人のいる前で、あてつけのように財前を褒めちぎる。
当然、その場にいた財前夫人・杏子(若村麻由美)が嬉しそうにすると、今度は東夫人に「あなたも誉めてさしあげたら」ぐらいの事を言っちゃう鵜飼夫人。
もーーーー、東夫人が倒れるのも無理はないって感じっす!
これも傍観してる分には、酒のサカナになりそうな話がわんさかあるんですが、輪の中には入りたくない。(ぶるぶる)

今回は林田さん(木村多江)で泣かせていただきました。
里見(江口洋介)がガンである事を告知した時の林田さん・・・。
それまでやり手の製薬会社の営業として、強気な姿勢でいた彼女が、急に「家族も早くに亡くしていません。恋人もいません。ライバルはいても友達もいません。・・・そうなった時に、先生、側についててくれますか?」と泣きじゃくりながら言うところで、ボロボロ泣けちゃいました。
一人でこの状況を受け止めなきゃならないって、ちょっと辛過ぎる。
予告もなくやってくる死の宣告と向き合った瞬間、自分の中で今度はカウントダウンガ始まってしまうんだもんね。
やりきれないわ。
里見先生がいてくれて良かったと思えるといいんだけど・・・。

さて、その里見先生が林田さんの事を相談した病理の大河内教授(品川徹)、最初に登場した時から何となく存在感があるなぁと思ったけど、やはりキーマンのようですね。
この人が教授選の選考委員に立候補した事で、東(石坂浩二)の思惑も鵜飼の思惑もそう簡単には進まなくなったわけで・・・。
菊川(沢村一樹)は東の話を引き受けたわけだけど、これから先どうなることか。

第6回
「父の姿」
脚本:井上由美子
演出:河野圭太

予想通り、大河内教授(品川徹)が鍵を握ってきましたね。
時期教授の選考委員を決める投票で、なんと大河内がダントツ一位!
そのまま選考委員長にまでなっちゃったよ!(ーー;)
これは東教授(石坂浩二)も鵜飼教授(伊武雅刀)にも、計算外の事だっただろうね。
もちろん、財前(唐沢寿明)にもだけど・・・。

財前なんて選考委員として選ばれるであろう教授に金ばら撒いて、これで何とかなるだろうって安心してた一面もあったのに、自分とはソリの合わない大河内教授が選考委員長で、自分を推薦してくれるはずだった教授が投票の結果選ばれなかったりで、計算狂っちゃうよね。
でも、見てる側はこうこなくちゃ面白くないのよ。(苦笑)
第1回の選考委員会で、財前以外に名前が挙がらなければ、そのまま決定だったんだけど、ちゃんと菊川(沢村一樹)の名前も出てきて・・・。
しかも、大河内教授が言った「第三の選択肢」ってどういう事なんだろう?
東派が推薦する菊川、鵜飼派が推薦する財前に加えて、大河内も誰か推薦するって事かしら?
これはますます面白い選挙になりそうだわ。

それにしても林田さん(木村多江)、可愛そうだったよ〜。(・・,)グスン
せっかく里見(江口洋介)が林田さんの最期まで看ようとしたのに、鵜飼教授が本人の前で転院してもらうように・・・って言っちゃうしね。
普通の人でも気にするだろうけど、林田さんは製薬会社で病気の知識もあるし病院の内部のことにも詳しいだろうから、余計に気にしちゃうよね。
もちろん、里見に迷惑もかけたくないだろうし。
鵜飼に頼まれたからって、林田さんに「転院してください」って言った竹内(佐々木蔵之介)も嫌だったなぁ。
竹内だってこのままじゃ里見が辞めさせられると思って、里見を助けるつもりで・・・ってとこもあったんだろうけど、やっぱ酷いわ。
林田さんが強引に退院する気持ちもわかるし、バス停で病院の建物を眺めながら里見に「先生にはお世話になったけど、ここは最期の時を過ごす病院じゃなかった」って言葉が、凄く重く感じました。
里見みたいに立派な意思を持ってる医者がいるというのに、思ったことができないという現実が辛いわね。
やっぱ、この世界でも「正しいことがしたかったら偉くなれ!by和久さん@踊る大捜査線」って事なのかしらね?

第7回
「毛嫌い」
脚本:井上由美子
演出:村上正典

大河内教授(品川徹)の言い出した、第三の選択肢とは時期教授を全国公募することだったのね。
財前(唐沢寿明)も、ここまでは考えてなかっただろうなぁ。
東教授(石坂浩二)は、これで菊川(澤村一樹)を大っぴらに推薦できると喜んでるけど、菊川本人はこれで負けるような事になれば困るとやや難色を示しているような・・・。
そんな中、東教授のオペの助手を申し出た財前。
ここらへんから東と財前の男の嫌味が炸裂してましたね〜。(ーー;)
オペの助手をさせてくれと言いながら、「おそらくこれが先生の助手につく最後のチャンスかと思われましたので。」って、凄い嫌味だよ。>財前
それってば、自分は教授になる人間だから、もうあなたの下で助手などするつもり事などない!って言ってるわけでしょ?
「宣戦布告」って感じだよね。

しかも、オペ終わった後の酒の席で、「助手につけば、何故自分を毛嫌いされるのかわかると思った」って、これは直球だし・・・。
東教授が「本当に信じているなら、なりふり構わず頼んでみたらどうだ?」と言えば、一旦テーブルに手をついて頭を下げるような仕草をして、「頭を・・・下げるつもりはございません!」だよ!
強気だ!真っ向勝負だ!
後でケイ子(黒木瞳)に言ってたように、ここで東教授に取り入ったことがバレたら、鵜飼教授(伊武雅刀)まで敵に回すことになるわけで、なかなか緻密な計算で動いてるんだなぁと妙に感心しちゃったわ。
ワイン1本で財前が「価値のない年代物に高い金を払う必要はない」と言えば、東教授が「ラベルだけの粗悪品には1円たりとも払いたくない。」と返すし、男の嫌味ってあまり聞きなれない分、女のそれよりずしんとくるものがあったりして・・・。(^^;ゞ

しかし鵜飼夫人(野川由美子)も、くれない会の会長だけあっていろんな事に気を使ってらっしゃるのね〜。(嫌味)
財前が教授になるためには女性関係もシメるところはシメなきゃダメよ・・・と、杏子(若村麻由美)にアドバイス。
んで、ちゃ〜んとケイ子のバーのマッチを差し出すあたりが、何とも怖い。
教授婦人会と言えども、やってることは「社宅の奥様たちの派閥争い」と同じレベルなんですのね。(嫌味)
杏子とケイ子のご対面もありましたが、まぁ、こっちはこれからかな?って感じかな。

公募された教授の中から、菊川・財前そして徳島大の葛西の3人が最終候補として残った。
ところが、財前が何を思ったか大河内教授に「私は教授にはなりたくございません。」だとさ!
うーん、次はどんな手なんだ?

第8回
「決戦」
脚本:井上由美子
演出:村上正典

(^.^)オホホホ・・・今回は「くれない会」のゴルフコンペなんて企画があって、とっても楽しめました。(笑)
鵜飼夫人(野川由美子)にしっかり取り入ってる杏子(若村麻由美)、そしてすっかり相手にされなくなった東夫人(高畑淳子)という構図が素敵♪
まだ嫌味言われたり、「あら、いらしたの?」なんて言われるうちはいいんですね。
今回みたいにゴルフでどの組にも東夫人の名前が入ってないというのが、一番辛い仕打ちだわ。
でもそのことに気付いても帰る事もせず、あの場に居続ける東夫人の肝っ玉にも驚きましたけど・・・。(^。^;)
教授たちのバトルがそのまま奥様方のバトルに移行するというのも、やっぱ社宅における派閥争いと大差ないような気がするわ。

大河内教授(品川徹)に「教授になりたくはございません」と言った財前だけど、そう言って大河内の気を引けると思ったんだろうか?
あっさり、しかも里見(江口洋介)に講演の依頼を伝えた後、「気がすすまないなら遠慮なく辞退したまえ。」と言ったのが、そのまま財前への返答になってるというところが、大河内教授もニクイですなぁ。
何とか教授選に勝ちたい財前、しかし自分の事を決してよく思っていない大河内が15票を握っているなんて・・・。
それにしても、一番大切な投票の場で東教授(石坂浩二)が棄権してくるとは思わなかったわ。
自分が育てた財前と葛西が戦うのを見てられないとか言いつつも、何気に菊川(沢村一樹)が一番優秀なんだって事をプッシュして、自分は投票しないんだもんなぁ。
こうなると、みんな「菊川ってそんなに優秀なんだ?」って目で見るんでしょうか?
でも、投票に来た時点で皆さん誰に投票するか決めて来てるんだろうしなぁ。

里見の講演会を聞きに来て、自分の旦那さんの体の不調を訴えた佐々木さん(かたせ梨乃)もこれから重要な人物になりそう。
旦那さんは食道がんらしいし、里見が診断してまた財前にオペを頼む事になるのかな?
教授選なんか頭にない里見先生が、まさに投票の真っ只中という時に佐々木さんのご主人の資料を財前に届けておけと竹内(佐々木蔵之介)に指示した時、竹内が「今はマズイっしょ。」と呟いたのが面白かったなぁ。(笑)

第9回
「正念場」
脚本:井上由美子
演出:西谷弘

財前(唐沢寿明)にとっては、教授になれるかなれないかが、一番大きな問題なんだろうけど、たまたまそんな教授選の時に里見(江口洋介)から財前を紹介された佐々木さん(かたせ梨乃)が可哀想でならんわ。
患者にとって大学病院の教授選がいつかなんて、何にも関係ないのよね。
ただただ、佐々木さんは夫の体が心配で、病院嫌いの夫をやっと連れて来て、そこでまた病気が見つかって心配でたまらないというのに、明らかに財前が自分たちに注目してないことがわかるという状況は辛いだろうな。
佐々木さんは完璧に不信感持ってるし、何か聞きたくても財前は質問させてくれる余地もないって感じじゃ〜ね〜。

教授選の投票は、財前12票、菊川(沢村一樹)11票、葛西7票という結果で、過半数に達する候補者がいなかったことから、1週間後にもう一度財前と菊川での決選投票が行われることになった。
・・・となると、当然葛西に入れた7票の行方が気になるところ。
それで財前派も菊川派も、葛西を推した野坂(山上賢治)を何とか取り込もうと必死になるんだけど、そんな時、医局では佃(片岡孝太郎)と安西(小林正寛)が金沢の菊川を訪ね決選投票を辞退してほしいと頼みに行くと言い出すわけね。
んで、財前にもその事を報告すると、自分には止めることはできない、聞かなかった事にするって言うわけよ。
これって、汚いよね〜。
結局、医局員なんて使い捨てのコマなんだわ。

それで本当に金沢まで行く佃と安西にもビックリしたけど、菊川だって当然こんなことされて頭にこないわけないし、船尾(中原丈雄)に「辞退する」と告げるのよ。
さぁ、東教授(石坂浩二)もこれで厳しくなったよね。
菊川に辞退されちゃ困るし、菊川を推薦した船尾にも嫌味を言われて、その上まるで「能無し」扱いで「あなたは甘い」なんて言われちゃってさ。
船尾を見送った後に、自分のコートの裾が玄関の木の枝に引っかかって取れない・・・たったそれだけの事がムシャクシャして、植木の鉢をなぎ倒すという行動に出るあたりの東の心情はちゃんと伝わりました。

それにしても最後の財前の行動見ました?
佃たちのした事を遠まわしに責められた財前が頭を下げると、東教授が「頭を下げたり、謝ってたりせずに、かけたらどうだね?」とソファに座ると、その後ろでさっきまで東教授が座ってた教授の椅子にどっぷりと腰掛けてる財前。
「何をしてるんだ?」
「東教授のご指示に従っただけでございます。( ̄ー ̄)ニヤリッ」
こわーーーーーーっ!
この二人の嫌味の応酬・・・なかなか見応えありますなぁ。(^。^;)

第10回
「一部最終回・無常」
脚本:井上由美子
演出:村上正典

今回で第一部終了。
んで、問題の教授選の決選投票だったわけだけど、佃(片岡孝太郎)たちが起こした問題で、鵜飼教授(伊武雅刀)が手を引こうとするのよね。
そんな鵜飼教授に「教授選に落ちたら後がない。一人で崖から落ちるのが怖くて、誰かの腕を掴んでしまうかもしれません。」って言ってる財前(唐沢寿明)。
もーーー、それは立派な脅しだよ。(^^;

決選投票の結果は16対14で財前の勝利。
しかし菊川さん(沢村一輝)、この投票で落選した事で石川大学にはいられなくなるって、かなり可哀想だよね。
自分の意思で名乗り出たならまだしも、東(石坂浩二)に目を付けられたばかりに教授選に参加して、そして追いやられるなんて・・・。
もう菊川さんは出てこないのかしら?
まだまだ絡んでほしかったんだけどなぁ。

そして今回、くれない会はなかったものの、教授になった財前夫人の杏子(若村麻由美)と愛人のケイ子(黒木瞳)の静かなバトルが面白かった。
やっぱ女同士のネチネチした関係って、遠くから眺めてるには面白いのよね。(^^ゞ
教授選に勝ったお祝いで飲み歩く財前、それを支えるケイ子って時に、タクシーでさ〜っと乗り付けて、現れるあたり杏子も凄い読みだわ。(爆)
少しもむっとした顔を見せないのが、教授夫人としてのプライドなのかな?
あの笑顔が妙に怖いんだけどね。(^^;

財前が佐々木さん(田山涼成)のオペを急いだのは、きっと新年早々ワルシャワに行かなきゃならないから・・・と思っていたら、もっと陰湿な理由があったとは。
東教授の退官の日に、わざとオペを入れたかったのね。
最後の総回診で惨めな思いをさせたかったのね。
いつも後ろにずら〜っと自分のスタッフを引き連れて歩いてたのに、最後の最後という時にオペでスタッフがほとんど財前と一緒に手術室へ入ってしまう。
そこを狙ってやってるというのが、何とも意地悪だわ。
そこまでしなきゃいけないのかね〜。
東教授なんて退官の朝、家を出る前には「(財前に)手を差し伸べるつもりだ」とまで言ってたのに・・・。
たぶん、その言葉は嘘じゃなかったと思うけど、最後にあんな仕打ちされたら退官してからでも、ぎゃふんと言わせたくなっちゃうよね?(ーー;)

佐々木さんの肺に転移らしい影を見つけた柳原(伊藤英明)。
だけど財前は転移だとは認めず、それを調べるための検査も必要ないと言い張り、オペへ持ち込んだ。
だけど、後々この事が問題になりそうよね。
ワルシャワ行ってる場合じゃなかったりして・・・。(^^;ゞ

今日は東教授が可哀想だったな。
そしてどんどん憎たらしくなる財前。(苦笑)
思ったより里見先生(江口洋介)が目立たないのが気になるんだけど、第二部では財前と里見の対比がもっと前面に出てくるかな?

 

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