平成16年度文化庁芸術祭参加
秋のドラマスペシャル
たったひとつのたからもの

原作:加藤浩美 たったひとつのたからもの
企画:酒井浩至・高木章雄
P:前田伸一郎・志村彰・次矢尚
主題歌:小田和正 ♪言葉にできない

脚本:矢島正雄
演出:雨宮望

最初にこのドラマのキャストを聞いた時に予想した通りなんだけど、母親役が松田聖子だったのが悔やまれる。
このドラマ、松田聖子の役をもしも松下由樹がやっていたら、私は10倍泣けただろう。
そういう意味では、もったいなかった。

ただ、そんな聖子ちゃんも秋雪役の杉森翼君の自然に出てくる愛らしい仕草に引っ張られて、時折自然でいい表情も見せてはいたんだけど・・・。
前半は特に聖子ちゃんのカタイ芝居が気になって、2時間半泣き続ける覚悟で見ていただけに「あら?こんなはずでは・・・」という微妙な気持ちになってしまったよ。(ーー;)

生まれた時、いきなりダウン症の疑いがあると告げられ、検査が続く日々。
誰だって、まさか自分のところに障害を持った子供が生まれてくるとは思っていないわけで、子供が生まれた喜びを噛み締める暇もなく、「ダウン症」「検査」の言葉が頭の中で渦巻く状況は想像できる。
検査を受けつつも、「きっと何かの間違いに違いない」「きっと、この子は違う」と願って結果を待ったことでしょう。
でも、結果はやはりダウン症、しかも心臓にも肺にも悪いところがあり、手術は難しい、そしてほんの少し前に命を授かったばかりの我が子に「余命1年」という期限が切られる辛さ。
こういうことを、医者の口から聞いてもそれを理解するのは難しいはず。

制限の多い生活を送り、やっと迎えた1歳の誕生日。
どんなに嬉しかったことだろう。
制限つきの生活で秋雪の余命を延ばすことも大切だけど、親としては子供らしい生活も送らせてやりたくて、それで外に出してやると同じダウン症の子供を持つ吉岡(戸田恵子)と出会ったり・・・。
いろんな出会い、由美(松田聖子)と幸太郎(船越英一郎)が秋雪とともにする色々な経験。
初めて秋雪が立った日、初めて秋雪が歩いた日、初めて「パパ」と聞いた電話・・・どれもこれも嬉しいのは、どんな親も一緒だと思うけど、ダウン症で発達も遅れると聞かされていた由美や幸太郎にとっては、ことさら嬉しかった瞬間だろう。
学園にも通うようになり、もしかしたら秋雪はずっとこの調子で成長していけるのではないか?と思った矢先、医者の口から聞かされた「奇跡が重なっても10年を越える事はない」という厳しい現実。
絶望しかけた由美を救ったのも秋雪。
子供の存在が親をどんなに救ってくれるのかというのを、しみじみ感じました。

そして、私が一番泣けたのは、海で幸太郎が秋雪を抱きしめるシーン。
いやぁ、まさに原作本の表紙に使われた写真を連想させるカットで、ここはボロボロ泣けちゃったなぁ。
6歳の誕生日も迎え、スクールバスを降りて家までの帰り道を初めて一人で帰る秋雪、それを不安そうに見守る幸太郎と由美。
家に帰って来た秋雪が、由美に持っていた花を渡したのは翼君のアドリブというか、自然な行動だったそうな・・・。
それを見て、聖子ちゃんが自然と泣けちゃったあたりは、「素」だからこそ良かったんだけどね・・・。
その他の聖子ちゃんの泣きの演技は、やっぱ・・・昔から嘘泣きとか言われてた彼女だけあって、何とも表現し難い状態だったのが残念。(・・;)
雪の積もった朝、静かに亡くなっていた秋雪君。
ここも松田聖子じゃなかったら、相当泣いたと思うんだけど・・・。
いやはや残念だ。
そして、最後の桜の入学式の場面、あの安っぽい合成は興醒め。
せっかく小田和正の「言葉にできない」が流れるいいシーンなのに、なんてこったい!

番組の宣伝で見たメイキングっぽい映像では、松田聖子もそんなに悪くないかな?と思ったんだけど、さすがに2時間半見るのに耐えられる演技ではなかったようだ。
あぁ、松下由樹で見たかった。(まだ言うか・・・)

 

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